人の身体の各部位は、対になっているものがほとんどですが、リンパ液の流れるリンパ管の配置は、対になっていません。
リンパの流れ方/リンパのマッサージの特徴
身体の右の守備範囲が狭く、左側の守備範囲は広いです。
そしてリンパ管には、浅いリンパと深いリンパがあり、末端の浅いリンパから中心に向かって深いリンパへと流れが変わります。
ここでは、身体の中を静かに流れ老廃物を運んでくれるリンパについて、詳しくみていきましょう。
リンパの流れ方
リンパの流れは、足や手の先にある毛細リンパからはじまります。
毛細リンパは、皮膚の浅いところにあって、真皮とよばれる皮膚表面から1ミリほど内側からはじまります。
真皮の下の皮下組織で、複数の毛細リンパと合流し、その後も合流を繰り返しながら、内部に弁を持つ太リンパに管になって、リンパ節を通過していきます。
身体を巡るリンパの流れは、右側と左側では異なった流れになっています。
身体の左側のリンパは、下半身(右脚左脚)の浅いところにあるリンパから、おなかの深いところにあるリンパへ流れ、胸管(左リンパ本管へと)へと流れ、左上半身のリンパと合流します。
そして最後は左の鎖骨の下にある左の静脈角へと流れていきます。
右側のリンパの流れは、右腕の浅いリンパと右上半身の浅いリンパが、右リンパ本管に集まって、右の鎖骨下にある右の静脈角へと流れていきます。
左リンパの詳しい流れ方
このことからわかるように、左のリンパの分布は右側よりずっと広いです。
両脚、腹部、腰部のリンパは、左リンパの分布の範囲になります。
詳しくみると、両足のリンパ管は、脚のそけい部に集まってきて、そけいリンパ節をとおり、骨盤からのリンパと合流して「腰リンパ本幹」となります。
この「腰リンパ本幹」に腸からのリンパを集めた「腸リンパ本管」が合流します。
「腸リンパ本管」は小腸から吸収された脂肪が、腸リンパ本管で運ばれてきて合流するので、リンパが乳白色をしています。
そのためこの合流点は「乳び槽」と呼ばれています。
「乳び槽」は左側の深いリンパ「胸管」の始まりにあたり、左側リンパの本幹である胸管につながっていきます。
浅いリンパと深いリンパのマッサージ法
浅いリンパは、皮膚のすぐ下で静脈のそばを流れています。
自分でリンパを流す力がないので、マッサージやストレッチをして、浅いリンパの流れを促進すると、むくみや筋肉疲労を解消したり、身体のコリやハリが緩和します。
抹消の浅いリンパ液が流れやすくなることで、太いリンパの流れも促進されていきます。
身体全体のリンパの流れがよくなれば、疲労物質や脂肪の排出も進み、美肌やダイエットにもつながります。
浅いリンパをマッサージするときは、皮膚をなでるようにやさしい圧力で行います。
浅いリンパ液は皮膚のすぐ下にあって、非常に細い管ですから、傷つきやすいのです。
マッサージ効果をあげたいからと、浅いリンパに強い圧力をかけると、効果が全く得られなくなります。
マッサージするときは、手のひらの柔らかい部分や指の腹を使い、ゆっくりなでるようにさするようにします。
一方深いリンパと呼ばれているリンパは、身体の深部を流れていて、血管にそって流れ、また内蔵に絡みつくように張り巡らされています。
マッサージの刺激によって深いリンパの流れはよくなり、内臓の働きをよくする効果が認められています。
深いリンパに働きかけたいなら、ほどよい圧力を両手で全体にかけながら、手を移動させるようにします。
リンパの流れ方と深いリンパ浅いリンパのマッサージの特徴のまとめ
リンパの流れの始まりは、手や足の先の、皮膚から1ミリほどのところの毛細リンパからはじまります。
毛細リンパが合流し、徐々に太いリンパへと流れが変わり、いくつものリンパ節をとって、最終的に静脈角へと流れていきます。
リンパの流れは右側と左側では異なり、左側は下半身や腰、腸からのリンパの流れも合流し、広範囲です。
浅いリンパのマッサージには、やさしい圧でなでるようにするのが基本ですが、深いリンパのマッサージには、両手でほどよい圧をかけて、手を移動させるようにします。