リンパの働きで大きなものといえば「免疫機能」です。
病気から身体を守るリンパ
病原菌が侵入してくると、リンパ節がはれることがありますが、それはリンパ節内にいるリンパ球が、病原菌を退治するために戦っているからです。
リンパ節で病原菌が退治されれば、脳や心臓にウィルスやばい菌が入りこむことはできなくなります。
異物から体を守るために、なくてはならないこうした免疫機能は、私たちが健康に生きてくためになくてはならないシステムです。
病原菌からのすぐれた防御機能
リンパ節の構造はフィルター状になっていて、白血球の仲間でも最も強いリンパ球が作られています。
リンパ球のほかに、リンパ節の中では、「マクロファージ」と呼ばれる処理細胞がつくられていて、リンパ球が退治した菌などの残骸を、食べてくれます。
こうした働きによって、リンパ節の中では病原菌をなかったことにして、身体を守ってくれるわけです。
免疫力の弱い子供のころは、リンパ節の中でリンパ球を大量に作り出すために、リンパ節が腫れ上がってしまいます。
その際熱が出たりしますが、十分に静養することで、やがてリンパ球が退治するので、病気の症状は治まっていきます。
身体の中に800あるともいわれるリンパ節が、病原菌のフィルターの役目をしており、リンパ球やマクロファージ、その他の有益な細胞を作るネットワークが、正常に働いていることで、健康が維持されています。
正常に働くリンパの流れによって、老廃物の排出もスムーズに行われていきます。
きれいなリンパ液が流れることで、細胞への栄養補給が進み、細胞の活動が盛んになるので、アンチエイジングにもつながっていきます。
老廃物のろ過機能を果たすリンパ
もうひとつリンパには、大きな働きがあります。
それは「老廃物のろ過機能」です。
リンパ液は無色透明の液体ですが、その中身は、タンパク質や脂肪の栄養素と、細菌、ウィルス、乳酸、アンモニア、尿酸などです。
身体に不要のものは、老廃物と総称していますが、これらの老廃物を回収しリンパ節を通過するたびに、老廃物をろ過する仕組みになっています。
毛細リンパ管から太いリンパ管を流れ、いくつものリンパ節を通って、最後にはキレイになったリンパ液が静脈に流れ込み、心臓へと戻っていきます。
リンパ球の働きが健康を左右
リンパ管に取り込まれる物質は、細胞の周りにある「組織液」だけでなく「腫瘍細胞」も取り込まれます。
腫瘍細胞は増殖能力が非常に激しい細胞です。
腫瘍細胞が入り込んできたとき、もしリンパ球の働きが弱まっていると、増殖する腫瘍細胞を抑えることができなくなります。
体内のリンパ節では、懸命に退治しようとしますが、退治しきれなくなると腫瘍細胞は身体のあちこちを巡るようになってしまいます。
それが「ガンの転移」となって病気の進行になっていきます。
リンパ球がいつも正常に元気に働くことが、私たちの身体の健康を左右するといってもよいくらい、リンパの働きは大切です。
病気から身体を守るリンパのネットワークまとめ
リンパの働きは、大きく二つ、一つは免疫機能、もう一つは「ろ過機能」です。
さまざまなウィルスや病原菌から身体を守るのが、健康なリンパのネットワークです。
リンパ節では、病原菌を退治して、残骸を残さないようにして、キレイなリンパ液にして流していきます。
不要な老廃物をろ過する「ろ過機能」も特筆すべきリンパの機能です。
また「腫瘍細胞」を退治するのも、リンパの役目。
健康できれいなリンパ液が、体内を循環することが、病気の予防、ガンの進行阻止、アンチエイジングへとつながります。