日経ヘルス2月号のゆるダイエットの一つ目に紹介されていたダイエット法です。
食べるときゆっくり食べるだけなのですが、それだけで消費エネルギーが増えていくので、誰でもでき健康的になれるダイエット法です。
ゆっくり食べるだけダイエットのコツを知って自然にやせる
さらにその効果をアップさせる、ちょっとしたコツはこんなところにありました。
私たちは生きている限り、エネルギーを取りこまねばなりません、そのために一日3回の食事が必要です。
3回しっかり食べることで健康が維持されますが、中には必要量以上に食べてしまい、脂肪をため込んで太ってしまう人もあります。
現代では糖分や脂肪分の多い食事のせいで、摂取カロリーがオーバーになり、太めの体型に悩んでいる人もありますね。
でも食事はしなくてはいけないし、面倒なカロリー計算はいやだし、ということでダイエットを継続することがむつかしいのが今の生活スタイルでしょう。
そんな人にとって最適な「ゆっくり食べるだけのダイエット」があるのです。
間食はできるだけやめるのが前提で、普通の食事をとるときにゆっくり食べるのを心がけることで、自然に消費エネルギーが高くなります。
「食べるだけで消費エネルギーが高くなる」なんて、おかしな話ですが、ちゃんと根拠があるんですよ。
人の消費エネルギーはこの三つ
人が消費するエネルギーは、大きく分けて3つです。
基礎代謝・生活活動代謝・食事誘導性熱産生(DIT反応)です。
そのうち基礎代謝が6~7割、生活活動代謝が2~3割、食事誘導性熱産生(DIT反応)が1割の割合でエネルギー消費しています。
基礎代謝は、寝ていても起きていても、生体を維持するために必要な働きで、内臓が動いたり体温を維持したり、呼吸をしたりといった基本的な働きに必要なカロリーです。
生活活動代謝は、歩いたり仕事をしたり、テレビを見て笑ったりなど、活動するときに必要なカロリーです。
そして最後の食事誘導性熱産生(DIT反応)は、食事をするときに消費されるカロリーです。
これは食事を食べるときだけでなく、食事によるエネルギーの生成・消化・栄養素の吸収などの一連の反応のことをいいます。
そして食事誘導性熱産生(DIT反応)だけで、一日の消費エネルギーの10%ものエネルギーを消費しています。
ですから、食べるという楽しみの時間を、消費エネルギーを高くするチャンスととらえれば、無理なく消費エネルギーを高くするくことができます。
では食べる時、どんな食べ方をすれば消費エネルギーが高くなるのでしょうか。
ゆっくり食べれば消費エネルギーがアップ
それは、「ゆっくり食べること」です。
いつも急いで、5分くらいで食べてませんか?
どんな料理なのか考えもせず、テレビを見たり黙ってかき込んでいたりしませんか?
消費エネルギーをアップさせる方法は、食べ物をゆっくり噛むことです。
ゆっくり噛むというのは、一度口にいれたものを、30回ほど噛み砕いて飲み込むということです。
子供のころに「ちゃんと噛んで食べなさい」といわれたことがあると思いますが、ゆっくり噛むということは、胃腸での消化吸収を素早くすることができるので、胃腸に負担がかからない食べ方でもあります。
また回数多く噛むことで、料理の味がしっかりと味わえるという効果もあります。
基本的には30回噛んでから飲み下すようにするようにします。
ゆっくり噛むことで消費エネルギーが高くなる理由
ゆっくり噛むと、噛む回数が増えます。
噛む回数が増えると、唾液の量が増え、胃腸の働きが活発になります。
胃腸が活発に動くことで熱が生み出され、内蔵の血流量があがり、それによって体温があがってきます。
体温があがると、体内の生化学的反応が促進されて、筋肉もスムーズに動くようになります。
つまり身体の各器官の動きをいっそう助けるので、消費カロリー量、消化効率、栄養吸収率を引き上げることができます。
ゆっくり食べで摂取カロリーも少な目に
さらによく噛むことで、満腹感が起きやすくなり、結果食べる量が少な目でも満足ができるようになります。
よく噛むためには、柔らかい食品よりも、歯ごたえのあるものの方が噛みやすいです。
白米よりは玄米や雑穀米、白い食パンよりは胚芽入りパンがよいといわれるのは、栄養素もさることながら、噛みごたえがあるからです。
よく噛む食品を選んで食べると、味もいっそう味わうことができますし、今までの量では多すぎると感じるようになるはずです。
自然と摂取量が減っていって、なおかつ食べる際の消費エネルギーが増えるとなれば、食べるだけで痩せやすくなるといえますね。
朝食にゆっくり食べがベスト
食事の時間は、夕食のときはゆっくりできるけど、朝食は無理という人も多いです。
ですが、食事誘導性熱産生(DIT反応)を起こすのは、朝食のときが一番盛んなのです。
できるだけ消化吸収のよい脂っこくない食べ物を、よく噛んで食べることができれば、一日の活動のスタートを順調にきることができます。
もちろん前日の夜遅くに食べ過ぎていないのが前提ですが。
胃腸も一定期間(10時間以上)は休んでからでないと、負担がかかって不活発になるといわれていますから(理想的には12時間以上あけて朝食がよいといわれています)。
ゆっくり食べる人ほど体脂肪率は低い
最近の研究でわかったのですが、「ゆっくり食べる人ほど体脂肪率が低い」のです。
太った人と普通体型の人で実験したところ、食べ方の習慣が体型にも出ていたようです。
早食いの人は、食べ方噛み方を見直してみるといいですね。
一日の消費エネルギーで食事による消費エネルギーが10%だったものが、少しばかり増えてもどうということはないと思っていても、
これを一年間積み重ねると・・・
東京工業大学の林教授によると、体脂肪1.5キロ分を消費する計算になる!といいます。
これは林教授が、300キロカロリーの栄養補助食品で実験した結果なので、日常の食事ならもっともっと消費する計算になるそうですよ。
よく噛んで食べるのを習慣化すれば、体脂肪の減少は当たり前ということですから、ゆっくりでもじわっと痩せる、知らず知らずのうちに、余分な脂肪が落とせます。
食べるだけダイエットのコツその他
<食事前に運動を行う>
食事の20分~30分前に軽く運動をすると、食べるときのDITが高まることがわかっています。
運動といっても、激しいものでなく軽くストレッチをする程度でもOKです。
<美味しいと思うものを食べる>
おいしい食事をすると、味覚と嗅覚が刺激され、さらに交感神経を刺激されるので、ノルアドレナリンというホルモンを分泌します、
それが熱生産を高めてDIT反応を活性化しますので、美味しく食べる環境づくりや自分の好みのものを食卓に並べるのもいいんですよ。
<タンパク質を意識して食べる>
食べたものは消化されて、エネルギーとして利用されますが、栄養素によってエネルギーとして消費される量が異なります。
なかでもエネルギーとして消費される量は、タンパク質が一番多く、30%がエネルギーとして消費されます。
糖質は5%、脂質は4%と少ないのです。
ですからタンパク質を意識してとるようにすると、消費エネルギーが増えるといえます。
食べるだけダイエットのコツのまとめ
基礎代謝が6~7割、生活活動代謝が2~3割、食事誘導性熱産生(DIT反応)が1割の割合でエネルギー消費している。
食事誘導性熱産生(DIT反応)は食事をすること、その消化吸収の際に必要なエネルギーで、よく噛むことで消費エネルギーが増大する。
よく噛むことでゆっくり食べることになり、食べる量も自然と減る。
食べるだけダイエットのコツは、ゆっくり食べる、特に朝食をゆっくり食べる、食事前にストレッチなどをするとさらに効果的、美味しくいただく、タンパク質を意識してとる。
日々の消費エネルギーの増大は小さいけれど、積み重ねると体脂肪が確実に減っていく。
日経ヘルス2015年2月号のゆるダイエットの一つ目に紹介されていたダイエット法がこの「ゆっくり食べるだけダイエット」です。
忙しい人も、気が付いたらゆっくり美味しく食事をしてくださいね。