エチカの鏡放送 「死に至る怖い疲労を解消SP!」
日本疲労学会の会長 渡辺恭良教授による解説でした。
夏の終りともなると、疲れが蓄積されてきた感がありますね。
そうでなくても常時疲れを感じていたり、疲れがとれにくいと感じている人が増えているといいます。あなたは大丈夫でしょうか。
唾液で一ヶ月間の疲労の蓄積具合を検査する
今のところは実用化されていないそうですが、唾液で一ヶ月間の疲労の蓄積具合を検査することができるようになってきたそうです。
疲労物質=ヘルペスウィルスが、疲れるとでてくる
唾液の中にある疲労物質=ヘルペスウィルスが、疲れるとでてくるのだそうです。
疲労を数値化できることで、自分の疲労度を客観視しやすくなり治療への方策も立てやすくなることでしょう。
この検査が医療機関でできるようになるには、あと1~2年かかるそうです。
たいした疲れではないと思っていても、本当は疲労がたまりすぎているということがわかれば、早めに休みをとるなどして元気を取り戻すことができるようになるはずなので、早く実施されるようになるといいですね。
なにしろ疲れは今日の題名にあるように、「死に至る怖い疲労」なのです。疲労の蓄積によって、「過労死」や自殺へと至るのです。
「過労死」についてはもう何年も前から話題になっているのでご存知でしょう。
昼夜を問わず働いたり、休みをほとんどとらないような働き方で、疲れがたまり、心臓病や脳卒中などで死亡するという、働きすぎによる死。
日本で最初に問題になり、今や「カローシ」という世界で通用する言葉になっているそうです。
裁判にもなって表面化してきたのですが、本当に恐ろしいですね。
番組では32歳の若さで過労死された方のいきさつが取り上げられて解説されましたが、激しい胃痛で倒れ、入院したところ、1週間の入院予定が4日目に意識不明になり脳溢血で入院中になくなられたそうです。
店長になって一年半。
人件費を減らすためシフトにもはいって、車の中で寝泊りするという生活を続けたそうです。
とても責任感の強い方だったそうです。
渡辺恭良先生によると、疲れというのは肉体の疲れと脳の疲れの二つの疲れがあるそうです。
脳の疲れは体の疲れのようにはっきりした自覚がなく見過ごしやすい。
脳の疲れは体の疲れのようにはっきりした自覚がなく見過ごしやすい。
とにかく疲れにくい体づくりと疲れない体作りが重要とのこと。
疲れをとるのに、「点滴バー」ということろがある
最近では疲れをとるのに、「点滴バー」ということろがあるそうです。
取材した様子ですが、クリニックで診察を受けてから、点滴を選ぶそうですが、11種類の中から選択するのだそうです。2000~3000円くらいだったようです。若い男女が多かったです。
疲れがとれた感じがして、気分がよくなったとか、すっきりするといった感想でした。
渡辺恭良先生の「点滴バー」への感想として、「一時的に疲れがとれ回復するだろう」とおっしゃっていました。
基本的には疲れない体作りをめざすといいそうです。
そこで、疲れない体作りとは?ということで、疲れない体作りをめざして取り組んでいるところを取材。
ひとつは能のすり足を練習するというもの。これは現役の能楽師さんの安田登さんが取り組んでいるもので、能のすり足をすると、インナーマッスルが鍛えられ、大腰筋が発達して太ももや腰の周囲の筋肉が疲れにくくなるのだそう。
能のすり足というのは、静かな動きで、衣装をまとっていると足の動きがよくわからないのですが、本来の動き方は、かかとだけを床につけてずらすのだそうです。
ひざを少し曲げ腰を少し落とし、手を軽く腰より前に置くという基本のポーズをとるようです。
やってみるとわかるのですが、ついついかかとがあがってしまいます。
これを5分毎日続けることでインナーマッスルが鍛えられ、疲れにくい体になるとのこと。
この動きならなんとか家の中でもできそうですね。
「疲れにくい体作り」の二つ目は、東京青山にあるトレーニング場。
そこではゆがんで疲れが出ている体を一度元にもどして、活動的にさせるという二つの動作を行なうことで体の疲れをとったあと強化させるという目的のようです。
肩のコリ、腰と足の疲れなどをとるために、通っておられるようです。
番組の中では呼吸を正すためのエクササイズ、首を正すためのエクササイズが紹介されていました。
二つの動作が10秒位づつなので短時間に終れるものでした。
きちんと指導を受けながらだと、疲れの回復が早そうです。
さて今度は「脳の疲れをとるにはどうしたらいいか」ですが、脳は疲れていてもサインをださないこともあり疲れ具合がわかりにくいようです。
それは疲れると神経細胞の働きが鈍くなって、脳と体の異常に反応する伝達物資が減少して、感知しにくくなるためだそうです。
そのため脳の疲労は蓄積しやすくなり、過労死や自殺に追い込まれるという事態に悪化してしまうこともあるそうです。
ですからなるべく早くに脳の疲れを知って、対処できるよになると未然に防げるらしいのです。
脳の疲労検査
今では脳の疲労検査があるそうで、自分でもわかる方法を紹介していました。
それは目をつぶり、両手を腰にあてて片足立ちをするというもの。
30代の人なら30秒以上できるようであれば脳の疲れはすすんでいなく、40代なら20秒以上が目安とのこと。
脳科学者の茂木健一郎さん30秒近くできていましたので、ほとんど脳の疲れがないということに。
あんなにいろんな番組に登場されていても、脳が疲れないように何かやっていらっしゃるのでしょうかね。
脳の疲れを解消する方法
脳の疲れを解消する方法が紹介されていましたので、おさらいしてみます。
- 1分間目を閉じる
- アクション映画を観る
- 昼ねをする
- 普段やっていないことを休みの日にする
- 緑の香りを嗅ぐ
- 1分間目を閉じるのは、視界をさえぎることで他の聴覚や臭覚などの機能を高めるようにするというもの。
視覚はなんと80%もの情報を得ることができるそうで、それをさえぎるわけですから、いやおうなく他の機能を使うことに。
「クラヤミ食堂」というレストランの話し
「クラヤミ食堂」というレストランの話しがここであり、おもしろかったです。
3ヶ月に一回、ディナーを目隠しをしていただく
そこでは3ヶ月に一回、ディナーを目隠しをしていただくのです。
お店にはいったとたんアイマスクをされて着席、知らない人と一緒にディナーをいただく。
全部食べ終ってから、外で料理がわかるというもの。
体験した人は、頭がすっきり
体験した人は、頭がすっきりする、とか気分が入れ替わるような感じ、と感想を話していました。
目をつむったまま食事をすることなんて普段はありえないので、すごく新鮮な感動を受けそうな気がしました。
1分間だけでも目を閉じるだけも
そんなに長時間目をつぶる経験をしなくても、まずは1分間だけでも目を閉じるだけで、脳の疲労回復に効果があるというのですから、ぜひ取り入れていくといいですね。
一番やりやすいのはお風呂の湯船につかっているとき、とかトイレですっきりしたときなんかもいいかも。
アクション映画をみると脳が休まるというのは、一度脳を緊張させて、終ったらリラックスできるというその変化がいいのだそう。
一度緊張、そして緩和させることが脳の疲労回復
ほかには高級レストランなどの敷居の高いところへいき、緊張して、そのあと食事でリラックスする、というのもおすすめだそうです。
一度緊張、そして緩和させることが脳の疲労回復だそうです。
昼ね
そして昼ね。これは30分から60分以内が効果的だそう。
昼寝のことをシェスタというそうです。
シェスタの習慣は南欧に残っているそうで、イタリアやスペインでは昼ごはんのあとシェスタをとることが多いそうです。
昼食の時間が午後2時から4時くらいになっていて、家に帰って昼食とお昼寝をしてからまた会社にもどるのだそうです。
このシェスタをとりいれている日本の会社がありました。
そこでは午後1時から4時までのあいだに1時間のお昼寝をとっていいことになっていました。
社長さんによると、シェスタを取り入れたら、午後の仕事がはかどって去年より売り上げが2倍になったそうです。
2倍というのはこえまたすごいことだと思いませんか?それだけ生産性が上がったのですよね。昼食のあとに眠くなってしまうということはよくあります。
10分でも寝ると、すごくすっきりとしたという経験
たった10分でも寝ると、すごくすっきりとしたという経験をお持ちの方もあるはずです。
頭もすっきりするしなんか活力がわいてきますよね。
南欧の方では暑い午後にやる気がなくなってしまうのを解消できることなどもあるそうですが、家と職場を2往復することもあって、それは時間の無駄ではないかと感じますが。
とにかくお昼寝の効果は絶大ということ。昼食のあとお昼寝専用の場所があると、さらにお昼寝効果が高くなるのではないかと思いました。
いろんな会社でどんどんとりいれていくといいのにと思いました。
それから脳を休めるには、普段やっていないことを休みの日に行なうのがよいようです。
知らない場所に行くのもいいそうです。いつもと違う脳を使うのがいいみたいです。
緑の香りを嗅ぐとよいのは、実験で脳の機能の低下を防ぐ
また緑の香りを嗅ぐとよいのは、実験で脳の機能の低下を防ぐことがわかっているからだそう。
仕事をしているときも、緑(植物)のあるところでの作業が効率が一番よいので、オフィスには緑をふんだんに取り入れていきたいものです。
茂木健一郎さん「脳を休ませるには別のことをするのもいい方法。体とは違う疲労回復法をしてください」とのこと。
今回の番組内容をまとめると、疲労は体と脳に蓄積される。
体の疲労はとにかく休むこと。そして疲れにくい体を作る心がけをする。
脳はいつもと違う体験や脳への刺激をすることで回復するので、休みの日などは脳の疲労回復につとめる。
一日の仕事が終ったら、体の疲労回復を。
そして週に1~2回はまとまって脳の疲労回復を。これを当たり前のようにやっている人は、疲れもあまりなく元気に過ごせるというわけです。
ついつい疲れがたまってしまう、という人は、体の疲れをまずとる努力をして、脳の疲れについても思いをはせて欲しいと思いました。
まとめ
脳の疲れはわかりにくいので、脳の疲れがそもそもあるということを知ることができました。脳の疲れをためすぎると、体の異常がおこります。
過労死された人も、最初は物忘れしやすくなったり、靴を踏んているのが平気になったりと、いつもと違う行動が出てくるという兆候があったそうです。
脳の疲れは見えませんので、週に一度はいつもと違うことをして、脳の疲れをとってあげてください。
どうもありがとうございました。
エチカの鏡2010年8月29日放送 「死に至る怖い疲労を解消SP!」 ゲスト:矢田亜希子さん、優香さん、小杉さん吉田さん、茂木健一郎さん
お昼寝も暗くすると脳がさらに休まるそうです。