高齢女性のみならず40代の女性にも多い尿のトラブルについて、関口由紀さん(泌尿器科医、横浜元町女性医療クリニックLUNA理事長)から詳しく教えていただきました。
尿のトラブル
尿のトラブルとしては、頻尿、頻繁に尿意があって一日に十数回もトイレにいきたくなる。
尿漏れ、くしゃみやセキの時のみならず、何もないのに尿がもれてしまう。
排尿困難、これはおしっこがしたいのに、でにくかったり残尿感があったりといったものがあげられます。
なんとこれらのどれかのトラブルを経験したことのある女性は少なく見積もっても4人にひとりはいるということです。
しかし、ついつい病院にいくのが後回しになりやすいので、悩みだけは深刻になっていくそうです。
尿トラブルの原因
腹圧性尿失禁、過活動膀胱(ぼうこう)、骨盤臓器脱、といったトラブルは、どれも骨盤低筋肉の筋力が低下することでおこるようです。
過活動膀胱(ぼうこう)は15人にひとりはいるそうで、膀胱が自分の意思とは無関係に過剰に活動してしまい、突然の強烈な尿意や頻尿を引き起こすのだそうです。
ストレスが強かったりしても影響を受けるそうです。
あなたがもし、頻繁におしっこがしたくなる頻尿かもしれないと感じていれば、その「頻尿」の目安は一日9回以上で、夜間(就寝中)なら2回以上おしっこのためにトイレにいくのだそうです。
過活動膀胱(ぼうこう)は軽ければ適切な薬をのむことで治るそうですし、悪化していれば手術になるそうですが、ほとんどの場合薬と骨盤低筋エクササイズを併用することで改善していくそうです。
女性頻尿が多いとはききますが、これは女性だけでなく男性にもいえるようで、原因は骨盤低筋の筋力低下だそうです。
ですから、尿トラブルをかかえる人はだれでも、骨盤低筋エクササイズを行なうことで、ほぼ8割くらいは改善していくとおっしゃっていました。
骨盤低筋というのはもともとは尻尾を動かすための筋肉だったそうです。
昔人間になるまえの猿の時代の名残りなのですね。
でも尻尾を動かすための筋肉なんて、それこそ生まれてから意識したことなんて一度もないですよね。
でも骨盤低筋というのをイメージできるようにして、練習をすることで鍛えていけるようになるそうです。
骨盤低筋はぼうこう、膣、肛門の出口付近にあって、それらを下から支えている筋肉で、年齢とともに筋力が衰えてくることで、尿のトラブルが起こってくることになるわけです。
骨盤低筋エクササイズ
関口由紀先生の教えてくださる骨盤低筋エクササイズは、骨盤低筋を意識して、ぼうこうや膣をぎゅっとしぼめるという、シンプルなものなので、自宅でもそれこそ電車や車にのっているときでさえできるものです。
これはぜひ覚えておきたいものです。
最初は布団に横になって、骨盤低筋を意識して肛門を締め、ゆるめ、これができたら今度は膣を締め、ゆるめ、を行うそうです。
おしっこをしていて前から膣をギューと締めるかんじだそうです。
これで尿道周りの筋肉を鍛えられるとのこと。
立ってエクササイズを行なうときは、下腹とお尻に手をあて、肛門と膣を締めて、ゆるめてを繰り返します。
その際お尻とお腹は動かさないようにするのがポイントとのこと。
5~10回程度を1セットとして、3~4セットを毎日行なうと三ヶ月ほどで、軽症の尿もれなら改善するそうです。
そして直径20センチくらいのゴムボールを股に挟んで、きゅっとしめるのも効果があるそうです。
何もないよりボールをはさんだ方がやりやすそうです。
慣れてきたら、ハンドタオルをまるめたものを椅子におき、股の間にして座り、ハンドタオルを肛門と膣でつまみあげるようにするようにします。
人からはわからないように全身の力を抜いてできるよになれば、日常のいろんな場面でできるようになるようです。
歯磨きのとき、電車につかまって通勤のとき、椅子に座って作業をするときなど、生活の場面の中で行なえるようになるそうです。
そうなると、毎日数セットのエクササイズができそうですね。
筋肉は鍛えれば鍛えるほど、もとに戻っていくことができるので、いやればやっただけの成果が望めそうです。
とにかく頻尿などの尿トラブルがあるのなら、今日からでもやってみましょう。
軽症なら平均回数まで改善
おしっこの回数は日に3~8回が正常で、一回の排尿で300~400CCだそうです。
ちょっと多い方だと気になりだしていましたが、私の場合10回はしていると思うので、なんとか8回くらいにまではなりたいものです。
頻尿だと友達と食事や旅行に行っても、自分だけ頻繁にトイレを利用しなくてはならず、思い切り楽しめないのです。
とくに人とお酒を飲むときなんかは、トイレにたつのって行きにくさがあって、いやなんですよね。
問題が骨盤低筋のゆるみだけであれば、このエクササイズをしっかり行なえば、もとの普通の状態に戻れるとおっしゃっていましたので、さっそく実行してみようと思います。
膀胱炎についての質問
あとで女性に多い膀胱炎について質問があったので、答えていらっしゃいました。
参考までに付け加えておきます。
膀胱炎は女性の二人に一人が経験しているという、非常に頻度の高い病気です。
尿道が短いために絶えず侵入しようとする細菌が、体力低下のときなどに体に侵入してしまうためにおこります。
私ももう3回も経験しました。
そのたびに泌尿器科や内科にかかって検査を受けなくてはなりません。
一番つらいのは激しい排尿痛です。
いつもならなんともないおしっこが、激痛ですもの。辛いです。
処方された薬で1日か二日で痛みはひいていくけど、ひどいときは発熱もするし、おしっこにいくのが怖くなるくらいです。そんなときはまた頻尿になるんですよね。
おしっこの色が黄色くなってきたら、尿の中に細菌が増えてきた証拠と、以前ききましたので、さらさらのとうめいなおしっこがでるよう、水分をとるように心がけています。
膀胱炎で再発が心配という人も多いですよね。
年に2~3回で、数日で治る膀胱炎なら正常の範囲というお話でしたよ。それ以上あるというときは、ほかの病気があるかもしれないとのこと。
膀胱炎の予防には、ストレスや疲れをためすぎないこと、生活習慣を正しくして体を温める、水分をとるなどを意識していくといいそうです。
教えていただいた骨盤低筋エクササイズを毎日やって、尿トラブルを解決しましょう。
関口由紀先生、番組制作してくださった皆様、どうもありがとうございました。<m(__)m>
あさイチ放送、これでスッキリ!女性の尿トラブル。ゲスト:室井佑月さん(作家)、つるの剛士さん(タレント) リポーター:石井かおるアナウンサー