NHKためしてガッテン放送 「認知症!介護の新技で症状が劇的に改善する」
今回は認知症の問題行動が5割も改善されていくという情報です。
認知症!介護の新技で症状が劇的に改善
これまで認知症については、悪くなっていく一方で、改善する見込みについてはないようないわれかたをしてきました。
認知症になれば、悲観的になってしまうのがあたりまえでしたが、なんと、2010年3月に、認知症の問題行動が改善する方法が見つかったと発表がありました。
認知症の問題行動といえば、妄想、夜中にさわぐ、徘徊する、暴言を吐く。
幻覚、興奮する、などの周囲にはとても理解できない行動をとるようになってしまいます。
これは病気の悪化としてしられてきたと思います。
問題のある行動を半分にできるという方法
介護の人はとかく、けがをさせないように、とかたしなめたり、否定したりといった接し方をとることが多くなっていくようです。
その接し方が、そもそも問題行動のきかっけをつくっていたというのですから、驚きです。
新たな方法の発見の鍵となったのは脳の扁桃体
この新たな方法の発見の鍵となったのは、脳の扁桃体という、感情の働きを司っているところの動きでした。
ここは普通の人より、認知症の人の方が、活発に動くことがわかったのです。
つまり感情の動きは、普通の人より活発だというのです。
認知症の人の感情の動きに着目
そこで認知症の人の感情の動きに着目して、実験されたところ、感情を伴う記憶は、認知症の人にもよく覚えられることがわかりました。
介護の接し方を見直し認知症の人の問題行動が減った
そこでこれまでの介護の接し方を見直したところ、変化がおこり、認知症の人の問題行動が減ったということです。
認知症の人はいろんな制約を受け、感情として「イヤ」とか「悲しい」という感情をつのらせてしまい、それが介護する人への暴言になったり、介護の拒否になったりしていたということがわかったのです。
認知症の人は事のいきさつは忘れてしまい感をためてしまう
専門の先生によると、「認知症の人は事のいきさつは忘れてしまい、感情だけがためられてしまう」のだそうです。
そこで編み出された方法は、紙の中心に認知症の患者さんの全身の絵を書いて、周りに介護される人のよく言う言葉を書き、それに対してのいつもの対応の仕方を書き出すというもの。
こうしてこれまでの対応の仕方を改めて確認することで、介護する人がどんな風に接していたかがわかり、介護される人の気持ちがわかるようになってきます。
患者さんの気持ちをまず理解できるようになることが大切
患者さんの気持ちをまず理解できるようになることが大切で、そこから接し方を変えていくことで、
患者さんの気持ちをくんであげられることになり、患者さんの気持ちが落ち着いてくるという結果になるそうです。
これによって、いままでは問題行動を薬によって抑えるという治療がとられてきましたが、それが感情を大事にして介護すれば、
症状は抑えられるという考え方ができるようになり、実際半年くらい実践されたご夫婦は、患者さんに笑顔がもどり落ち着いてくらせるようになり、
おしゃれにも関心をもって外出もできるよになったという大きな変化がありました。
またアルツハイマーの病気の人は笑顔をよく認識することができる、という研究から、
介護の人が気持ちに余裕をもつことで笑顔でせっするようになったところ、家族の患者さんの問題行動がなくなったということです。
認知症の患者さんの気持ちを大事にして、接する、ということは難しいことです。
その方法を世界中の3万の施設で実践がされているとうことで、その技術についてふれられていました。
「バリデーション」というもので「価値を認める」という意味
それは「バリデーション」というもので、「価値を認める」という意味だそうです。
「バリデーション」の技術を習い、家庭でも実践する人もあり、介護する人もされる人も、穏やかな気持ちで過ごせるようになったそうです。
バリデーションのテクニック
「バリデーション」のテクニックの一部が紹介されていました。
- アイコンタクトをする
- 同じことばを繰り返す
- 思い出話をする
- やさしく触れる
「バリデーション」の技術を患者であるお母様にしてあげるようになった娘さんは、「自分の気持ちを話してくれるようになった」
「笑顔もみられるようになり、自分から話してくれるようになった」「いつもの母がかえってきた」と気持ちがつながることができたことを、とても喜んでみえました。
相手を認める、相手の気持ちを察するというのは、やっているようでほとんどしていないものかもしれません。身近な人であればあるほど、していないのかもしれないなと思いました。
「バリデーション」の技術は、まだ専門の施設にだけとどまっているようなので、保健所などから普通の家庭にも、どんどんひろまって欲しいと思います。
認知症はよくならないという認識だけでしたが、これからは介護する人が病気を認め、患者である家族と、
穏やかな気持ちで過ごすことのできる、非常に素晴らしい技術だということがわかりました。
相手の立場になるとか、相手のことを思う、気持ちをさっするという行為は、病気の人にばかりあてはめるだけでなく、普段の生活の中でも生かせるものです。
普段は言葉が通じるので、何気なくやっているのかもしれないですね。
思いやりという基本的なことだと思いますから、普段の生活の中でも、思い出しては練習していけるといいなと思います。
認知症!介護の新技で症状が劇的に改善するまとめ
ゲスト、高橋秀樹さん、城戸真亜子さん、まみさん
城戸真亜子さんは、お母さんが6年前から認知症で介護されていらっしゃいます。
ご本もだされご自分の介護経験にもとづくお話が参考になりました。
どうもありがとうございました。
認知症ケアのバリデーション・テクニック より深いかかわりを求める家族・介護者のために
城戸真亜子さんのご著書
NHKためしてガッテン2010年9月21日放送 「認知症!介護の新技で症状が劇的に改善する」